【開催レポート】BOOK CLUB『海辺のカフカ』

BOOK CLUBの記念すべき第一回として『海辺のカフカ』(村上春樹)の課題本型読書会をZOOMで開催しました。参加者は主催者含めて6名でした。



(ここからは『海辺のカフカ』のネタバレを含みます。)


村上春樹さん自身が何かの本で「僕の小説は解析に向かない」と言っていたので、どうなるか、やや心配もありましたが、結果から言うと、とても充実した楽しい読書会になりました。


会の初め、まずはみなさんに好きな登場人物を伺いました。大島さんと星野さんという意見が多かったです。理由としては、大島さんは知性、星野さんは、物語のなかで少しずつ人間性を取り戻しているところなどが挙げられました。


また、大島さんはこの物語を「つなぐ人」という興味深い意見も挙がりました。考えてみれば、大島さんは両方の性を有してると言えるし、また、カフカ君の章、ナカタさんの章、両方に登場しているんですね。


話し合いのなかでは、運命の力のようなものを感じたという意見が多く挙がりました。


また、メタファーという言葉についても様々な意見が挙がりました。カフカ君、佐伯さんの関係が象徴するように、彼らは互いに他人(?)であるにも関わらず、メタファーを通し、互いに責任を持とうとします。大島さんがカフカ君との会話のなかで「スペイン戦争に行きたい」と言っているように、直接は関われなくても、想像力という通路を通り、物事に関わることができるのかもしれないと感じました。


最後に、本作のラストのセリフ「絵を眺めるんだ」「風の音を聞くんだ」という言葉が表していることについて意見を出し合いました。絵=過去の記憶(思い出)、風の音=現在の自分の心(のありかた)なのかなと、個人的には思いました。


長い長い小説でしたので、1時間30分では語りきれないことが多かったですが、参加者の方々が本当に真摯に、そして楽しんで本を読んでいる姿勢が伝わり、主催者としても、とても楽しい読書会になりました。ありがとうございました。